今日はすっぽり時間が空いたので、本屋に寄って、以前から読みたかった「ゼロベース思考」の本を読みました。
MBAでも取り上げられることのある思考法のようですが、読みはじめてすぐに気づきました。「これは思考法の問題ではない」ということを。
著者のスティーブンとステファンが、どちらが中心かわかりませんが、子供の頃に、親からとても自由な発想を許されて育てられてきたことが数々の文脈から読み取れました。
本書の大きなテーマは「わかりません、と言える勇気を持つことの大事さ」。
知らないことを知らない、わからないことをわからないと言えないからこそ、多くの間違いを引き起こしているということです。
逆に言えば「神の全能性」をはっきり認めている経済書であるとも言えます。彼がプロテスタントの信仰を持っているであろうことは文脈から推察されますが、クリスチャンの間でも自戒の意味を込めて「神中心、キリスト中心」の大事さと、それが失われるときの危険性が具体例として書かれてあります。
だからこそ「小さなことに取り組むこと」「自分の直観や主義主張を排除すること」「待つ時間を持つこと」「人間がいかにお金や利己心に弱いか」「やめることも選択肢の一つ」という発想が、著者から出てくるのだと思いました。
そして著者も「この本があなたの人生を変える」ことは期待しておらず、「もう少しだけ自由に考えられるようになったらいいね」で締めくくっているところが、とても謙虚に感じられました。
もちろんキリスト教バックグラウンドがある国と日本の単純比較はできませんが、私が今取り組んでいる「リトリート」の目指すところと非常に重なる気がしました。
著者のような発想は一朝一夕にできるものではないと思いますが、一旦枠組みから外れてみる事、また、まず体、心、魂が喜ぶ事に取り組んでみる事、ここは、信仰のある人もない人も、まず自分がゼロベースでものを考える良い出発点になるのではないかと思いました。
自然の恵みを五感で受け止めていく中で、人は神を認めざるを得なくなるからです。
その時にこそ、著者の言う「8歳の子供のように考える」スタートポイントに立てるのでは、という気がします。
次回のリトリートは10/29-30に予定されています。ぜひこの「ゼロベース思考」のワークショップを取り入れていきたい、と思っています。
ちなみに、私なりに「ゼロベース思考」を保つための心掛けは以下のとおりです。もちろん万人の参考にならない事は承知の上でですが・・
1)腕時計を持たない。
ここ5年くらい腕時計をしていません。時に縛られると焦るようになるので、腹時計に頼る事にしています。そうすると腹時計がかなり正確になってきます。
2)緻密な売上計画を立てない。
想定外の事が起こった時に、それをそれとして受け入れられなくなる可能性があるから。また、結果は「恵み」と素直に受け取れなくなるから。
3)行動する前に妻に聞く。
おそらく言いたくない事を本音で言ってくれるのは妻だけでしょう。私も著者と同じくアイデアマンタイプなので、次から次へと新しいアイデアが湧いてきます。しかし、過去の私はそれを熟慮せずにスタートした事で失敗した事が多々ありました。最近は些細な事でも行動に出る前に妻に話して(そのためのリサーチはしますが)妻のOKが出ない限りは前に進めない事にしています。即断即決が長所と思い込んでいた私からすると、一人で何一つ決断できない優柔不断な自分になった気がする時もありますが、自分の判断が正しくない可能性があることを考えると、それも仕方のないことかなと思っています。
4)欠かさず散歩をする
自然に触れ、全然違う事を考える瞬間を毎日必ずどこかで持つようにしています。
5)体が喜ぶものを食べる。
多少お金がかかっても、素材から丁寧に愛情をかけて作られたものをいただくようにしています。家で食べるのが一番ですが。
6)早寝早起きを心掛ける
これは子供がいる事と、田舎生活の特権でしょうか。10時より前に寝ると、随分と頭がすっきりする気がします。夜中に子供に起こされても「ままいいか」と思えます。出張の時には大幅に崩れてしまいますが・・
7)ニュースを見ない
私がこういう仕事だから言えるのかもしれませんが、世の中の流れに惑わされないようにするために、できるだけニュースは見ません。できるだけ看板や広告が目に入らないようにします。
8)心が進まない事は遠ざかる
東京に住んでいた時に比べて、随分と付き合いが悪くなったと思います。飲み会とか交流会がもともと苦手意識がありましたが、本当に心の通う少人数の交わりでないものはあまり出ません。