2016.10.09

久しぶりの大阪大学、そして当事者研究

img_1688待兼山会館から部室へ向かう道。

20数年前、この道を何度通ったかわかりません。しかも、夜に。

懐かしい思い出が蘇ってきました。自分のことしか考えていない若気の至りの日々が。

img_1690 私が好んで練習していたスペース。img_1689部室は当時の面影を残していました。

今日大学に来た理由は、べてるの家で有名な「当事者研究」の全国大会があったからでした。

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心の病を持つ方々が、自らの症状を研究し、発表し合うイベントで、全国から多くの方々が来場していました。大半は当事者の方々で、舞台のディスカッションでは、「その経験私も重なる部分があります」というような声が多く聞かれました。それにしても会場の空気のすごく澄んでいたことが一番の驚きでした。本当に、心の綺麗な人違が集まっているんだあな、と思いました。

昨日の田中研先生もオランダで街全体が心の病の方の街(コミュニティ)で、その中に学校も床屋も店も農園もある、という素晴らしい試みをもう40年続けている施設の話で、作業所で養蜂をされているようですが、「統合失調症の方は蜂に刺されない」とおっしゃっていました。攻めてこないからだそうです。

今回の集会は、いろんな意味で、感動しっぱなしでした。本当に大変なところを通られてきた方々なんだなあ、ということを実感しました。会場に集まっている方々は、決して弱者なのではなく、ある意味その生き様を通して、この社会の大事なこと、人として大事なことに気づかせてくれる存在なんだと思いました。

いくつか印象に残った言葉を記しておきます。

・引きこもりは、「心の安楽死」だ。生きていく勇気、希望というものを、考えないようにしていくことだ。

・自分なりに、目標をクリアして、小さな自信がつくことで、前に進んでいける

・軸足を複数持つことで、自信が持てる。

・自分の味方が誰もいない・・そう思った時、不登校になってしまった。

・心からの関係を築きたい、と思っている。

・好きなことを一緒にできる(絵を描くなど)仲間がいると、とても嬉しい

・(人に頼ることについて)周りが頼っていないと、自分も頼りづらい

・引きこもっている時こそ、声をかけてほしい

・連絡をくれるのを待っている

・支援者はヒントをくれる人、回復させてくれる人ではない

・人を傷つけるのも人、夢と希望を与えるのも人

・(統合失調症の)幻聴に名前を聞くと、幻聴さんとの関係が改善することがある

・小学校〜高校までの間の過度・長期間のいじめ and / or 家庭環境の難しさが、心の病を発生させることに大きく関係している。ちょうど心の圧迫がオーバーフローして病気となって現れる感じ。一旦現れてしまうと一生をかけた付き合いとなることが多いようだ。「心ない一言」「正しいことを正しい、間違いは間違いとはっきり言えない、世間体の中で自分を守ろうとする気持ち」がどれほど人の一生に大きい影響を与えるか、を思い知らされた。


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