2017.04.03

「音療」について -About Sound Therapy-

prayharp株式会社 日比野音療研究所としてのスタートがいよいよ始まりました。

これまでの株式会社ジェム・インパクト(音楽制作・コンサート運営)株式会社光(凛舟の製造)日比野音療研究所(研究開発・天上の音楽企画・レーベル)の3つの事業体で行っていたことを、この度一つの組織に集約しました。

理由は「一番大事なことにフォーカスする」ため。

音楽や制作、事業という枠を飛び越えて、もっと大事なこと、それは、「いのちの希望」を一人でも多くの方が持てることだと考えます。

改めて、もう7年ほど使ってきた「音療」という言葉について、考えてみました。

 

「音」という漢字の由来は、いくつかあるようです。

1)指事文字。「取っ手のある刃物の象形と口の象形」(「言う」の意味)の「口」の部分に一点加えた形から「楽器や金・石・草・木から発するおと」を意味する「音」という漢字が成り立ちました。(OK辞典)

2)「音(オン・イン・おと・ね)」yinという漢字は、もともとは言(ゲン)という漢字に-が入った会意文字。(藤堂明保氏)

いずれにしても、「言」(ことば)に由来するものですね。

聖書のヨハネ福音書第1章1−3節には「はじめに言(ことば)があった。言は神とともにあった。言は神であった。この言は初めに神ともにあった。すべてのものは、これによってできた」とあります。

聖書の中で、言(ロゴス)と言葉(レーマ)は、原語の違いにより訳し分けられているようですが、こちらの言(ロゴス)については、一貫して言=神、つまり客観的な意味での神の本質を表しています。

対して、言葉(レーマ)の方は、主観的(人の口から出る言葉)なものです。

人が、言葉(レーマ)以外の、あらゆる方法で神を感じ、知ること。これが「音」の本質ではないかと考えます。

 

「療」という漢字に関しては、面白い発見がありました。

やまいだれの中の漢字は、「柴を燃やして天を祭る」という行為のを形にしたもののようです。いわゆる燔祭ですね。「神を畏れる」行為の表れです。もともとは、病人に対し、神への畏れを持って、その回復を祈ることだったわけです。

病は単に身体的なものだけでなく、今でいう鬱、不安、精神的なものも含んでいたでしょう。そのような「病者に対する祈り」が、療の本質です。

 

両方の漢字を合わせると「病者が、言葉(レーマ)以外のあらゆる方法を通じて、神を知り回復するために祈ること」となります。

 

ここで、「音療」の目指すべきポイントがはっきりしました。

1)担い手が神とともにあること。

2)担い手が祈り手であり、自身の思いで語らないこと。

3)あらゆる方法が可能性としてあること。

4)結果は神に委ねること。

 

ここでいう「回復」とは、単に肉体の上での回復だけを意味しません。物理的(Physical)・心理学的(Psychological)・霊的(Spiritual)の統合的な回復を意味します。

特に、人間が死を迎える時、物理的・心理学的に限りなく限界に近づいていたとしても、霊的に大いなる回復、すなわち神とともにある確信がある時、死への不安・恐怖は問題でなくなります。それをもたらしてくれるものは何か。これが「音療」の可能性ですし、音療の究極の原点は終末期にあります。

 

「音療」が実践される時の、大事な条件があります。

サンディエゴのホスピスで長年ハープセラピーを続けてきたLinda Hill-Phoenix氏も語るように、「患者の側に『よくなりたいという思い』が必要」ということです。

元気な人は医者を必要としないし、予防医学を提唱する医者の言うことも聞かないでしょう(だからこそこれだけ成人病が蔓延しているのだと思います)。病気になってはじめて、『よくなりたいという思い』が芽生えてきます。

これは身体的なことにとどまりません。精神的・霊的に「よくなりたいという思い」をどう持ち続けられるか。ここがポイントです。

霊的な回復度合いの過程(スピリチュアリティ・リカバリーモデル)を図にしたものが以下になります。

Spirituality recovery model

この①ー④の段階で、それぞれ必要となるサポートのタイプが変わってきます。

これを事業モデルに落とし込んだものが、私の目指すものです。

production model

この中には、収益を得るもの・得ないもの様々が混在していますが、

一つ一つの収益を見るのではなく、そこに音療の目指す価値=「病者が神を知り回復すること」が存在しているかが一番重要なポイントだと考えています。ここでいう神はいわゆる宗教論の上の話ではありません。天地万物を造り、人にいのちを与える神のことです。

そして、今後の一番の課題は「Co Production System」だと思っています。

特に、高齢者・障害者の起業支援等、皆が参加して価値を共に創り上げる、そういう場を作っていければ、と思っています。

 

 


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