2017.02.05

生活臨床とco production model

10500522_308415885984689_3942674862078792311_n今年の5/12に渋谷にて「天上の音楽」スペシャル・コンサートを開催することができそうです。今年も海外から、先進的な取り組みをされている医師のゲストをお呼びする予定です。近日中に詳細公開できると思いますのでご期待下さい。

昨日、人間科学部の大先輩でもある今村達弥先生率いる、ささえ愛よろずクリニックにて、「生活臨床」で知られる伊勢田堯先生の講演がありました。

先生の専門は精神科ですが、「精神症状があるから人生がゆきづまる」のではなく、「人生が行き詰まるから精神症状が発症する」(人によっては体の不調となって現れる)という視点に立ち、その原因となる、簡単に言えば「何のために生きているのか」を見つけるお手伝いをすることが、症状対処よりももっと大事だ、というスタンスです。

そのために、日本の場合に「家」が大きな縛りになっていることを挙げ、両親の家系図をたどっていくことで、どういうトラウマ・もしくは縛りがその方の周辺にあり、本当は口で言っていることと志向していることが違っている現実などを見つけ出し、本当に志向していることを本人・家族が目指して歩いていけるように、共に「作戦会議」を開いて支えていく、というスタイルで長年取り組んでおられるようです。

先生のとても謙遜な姿勢が、大変印象的でした。「四つ葉のクローバー」のお話がありましたが、人間の価値判断というのは「異性・健康・お金・名誉」の4つのどれかに重きを置かれることが多く、患者がどの価値でつまづいているのか、を見つけないと、違う価値で置き換えても症状の改善は起こらない、ということでした。

先生が最近海外との交流で関心を示しておられる、ジェフ・シェパード氏の提唱する「コ・プロダクション・モデル」についても説明がありました。患者を「ニーズの塊」とみるのではなく、むしろサービスを提供する、もしくはコミュニティを一緒に設計・運営していくパートナーとして、積極的に社会に参加してもらうことが必要、という考えです。自己主張文化の欧米では、これは大いに機能する気がしました。

日本でも「障害者就労支援」が手厚く行われていますが、特に今このインターネットの時代、誰もが雇われなくても、「自分の特徴」をしっかりつかんで、それをオンラインで発信していく力を持てば、障害のある方でもどんどん「自営」というスタイルができるのではないか、と思います。

その具体的な方法に関してアドバイスできる方はまだまだ少ないようですが、事業を立ち上げることが半分趣味のような私の性格は、その方面で何か力になれるのかもしれない、と思いました。

 

 


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