2015.05.28

グローバル化の本当の意味 - The true meaning of "globalization"-

yacht in sunset夕陽の中、突き進むヨット。

「新たな地を目指して、成功するぞ!」という意気揚々とした攻めの体制、まるで大航海時代を思わせます。

新たな資源、領土を求めて「なんとかしなければ、生き残っていけない・・・」未知の土地の開拓は、それらが限られた人々にとっては至上命題だと思われます。

「グローバル・スタンダード」という言葉が使われて久しいですが、物流・情報のスピードが限りなく早い今日、世界で1円でもコストセーブできる方法があれば、それを追い求めて効率を追求する、それが、本当のグローバル・スタンダードなのでしょうか。

 

新幹線、飛行機に乗るととても体が疲れる経験は誰もがされた事があると思います。

Epigeneticsという遺伝子発現の研究で、人は自分のルーツが古来から食べて来たものでないものを食べ続けたとき、遺伝子異常が発生しやすく、病気になりやすい、という話を聞いた事があります。

人は、そもそもそれほど高速にある地点から別の地点に移動・適応できるようには作られていないように思います。今、「英語が出来なければ、海外で交渉力をつけなければ、私達の将来はない」それが一般論となっていますが、本当にそうでしょうか。

私もそう思っていました。実際、そうやって交渉をしてきました。現地法人も設立して、いろいろとビジネスを立ち上げていきました。素晴らしいパートナーにも恵まれ会社がスタートできました。

でも、気がついたら、口座からお金がなくなっていました。華僑の方々と実際にビジネスをした経験のある方ならきっとそういう経験をお持ちだと思います。「必要経費」という名の、合法的に進められる非合理な出費が。成果が出ようが出まいが、とにかく不思議なくらいにお金が出ていきます。日本的にそれを締めようとすると、おそらくビジネス自体が止まるでしょう。そうして、金持ちはどんどん豊かになり、そこそこの人はどんどん貧乏になっていきます。

どんなに英語力があっても、交渉力があっても、知識があっても、本当の意味でのグローバル化は成立しません。逆に言えば、どんなにつたない英語で、コミュニケーション力がなく、交渉力がなかったとしても、何か一つでも「本物」といえるものを持っていて「どうしてもあなたと付き合いたい」といって頂けるかどうか。それだけだと思います。

そこに「金銭」というものを眼鏡にして見てしまったとき、最も大事なものを失うと思います。「本物の価値」にフィルターがかかってしまうのです。

グローバル化の時代だからこそ、その壁を乗り越える手段はいくらでもあります。金銭でつながった人は、かならず価値が合わないと判断された瞬間に「金の切れ目は縁の切れ目」になります。

 

どんな形であれ、戦争は絶対に平和を生まないでしょう。

そんな分かり切った事が、「価格」「金銭」が絡んで来たとき、そうでなくなってしまうのです。戦争は金銭を生み、欲はさらなる欲を生みます。

「与えられたもので満足すること」「感謝して受けること」これがどれほど難しいでしょうか。いのち、恵み、共に働く人々・・さらには欠乏、困難・・それも与えられるものです。感謝して受けるとき、ムダになるものは何一つない、それを確信できるかどうか・・そこに「本物」が生まれるか、価格のグローバリゼーションに巻き込まれるかの境目があると思います。

与えられた恵みをリスト化して、その感謝、特に一番近い者に対して、愛を持って行うこと。それが、最大のグローバル化のスタートだと思います。


Page Top