2016.03.21

待つということ - perseverance -

新潟の春もすぐそこまで来ています。森にも鳥の声がこだまするようになってきました。 新潟にとっての冬はまさに「待つ」そのもの。太平洋側のように冬も同じペースで活動というわけにはいきません。だからこそ冬から春の変化は、冬眠から覚める動物のように体力的にも気分的にも大きな変化を伴います。   「ソリューション」と「待つ」ということはある意味対義語かもしれません。 先日、待つためには「ビジョン」が必要だ、という話を書きましたが、ものすごく多くのソリューションが提供され手軽に手に入る現代にあって、右にも左にもブレず進んでいくためには、どんなビジョンが必要なのでしょうか。 「納車6ヶ月待ちの車」「行列店のラーメン」を心待ちにするのも一つのビジョンでしょう。しかし、車を手に入れ人々から羨望の眼差しを受けること、美味...

2016.03.15

お金を追う時代は終わった - time of money chasing is over -

お金が余っていると言われます。 貧富の差がより日本でも明確になり、大企業や一部の人にお金が集中し、大多数の若い世代にお金が回らなくなりました。マイナス金利とは、まさに「カネ余り現象」でしょう。 正しくは「有効な投資価値を見出せるものがない」というべきかもしれません。現在のマーケティング理論は、いかに顧客数・顧客単価・購買頻度を上げるか、この公式に則っていない限り収益は増えないとしています。 しかし、実は、顧客数少数、顧客単価不明、購買頻度も不明、それは事業とはいえないようでいて、一番真の収益を提供していることもあるのではないかと思うのです。 要するに、お金で買えない価値を提供する場。 その価値を受ける方は、もしかしたら本当にぎりぎりの生活で1円も払えないかもしれないし、もしかしたら、価値を自分が直接受けないとし...

2016.02.29

地方移住について思うこと -moving to countryside-

近所の福島潟の光景。 万単位の鳥が日の出とともに飛び立ち、夕暮れとともに帰ってくる光景は圧巻です。 先日から東京に数日おりましたが、「地方移住」がずいぶんと騒がれるようになってきた気がします。 国の政策だからでしょう。もちろん政策誘導も大事だとは思いますが「自分は何のために生きているのか」そこをしっかり見つめ直すことが、一番大事なのではないかと思います。 昨日は福島潟の水鳥のシンポジウムでお話の機会を頂きました。鳥の専門家がおっしゃっていた「鳥は無駄なエネルギーをできるだけ使わない」というお話は、とても印象的でした。積雪が一定量を超えると、食べに行かずに潟でじっとしているそうです。 私たちは仕事がうまくいかなくなったり、状況が変わったりすると、「何とかしなければ」とあがきます。そうすると、どんどんお金が出て行き...

2016.02.08

音楽療法と認知症の脳機能 / brain activity in dementia and music therapy

この図は、音楽聴取時の脳波のフラクタル次元を計測した際の、凛舟を使った場合(左)と従来型の高級ハイレゾ対応スピーカーを使用した場合(右)の比較です。凛舟の場合、平安、安らぎを感じる右脳前頭野(F4)がより活性化し、不安、恐れを感じる左脳前頭野(F3)が不活性化しているのが分かります。音源はいずれも24bit96KHzです。 認知症と音楽療法の取り組みについて、注目が集まってきています。今朝のテレビでも取り上げられておりました。 専門の先生によると、昔懐かしい曲を歌うことで、認知・判断・行動の経路が反復されることで脳機能の活性化につながる、ということでした。 確かに介護施設でも、童謡を共に歌った時の反応は、やはり皆さんの目が輝いています。ケアを提供する側にとっても、大きな励みになりますね。 一方で、音楽療法の副作...

2016.01.16

職人芸と指 - craftsmanship and finger -

先日、新潟・加茂の職人親方との新年会がありました。 本当に加茂の職人方のお力添えには頭が下がります。それなくしては今の凛舟は絶対に存在しませんでした。 加茂は箪笥の名産地です。かつて、箪笥は嫁入り道具として、終生持つことの出来る高価な品でした。実際、メンテナンスさえすればそのような耐久性があるそうです。 同時に、それは職人の人生を賭けた「一品」でもありました。もちろん、永年メンテナンス付き。ものを売って終わり、ではなく、一生のお付き合いのスタートです。現在のような、数年持てば良い、壊れたら粗大ゴミ、とりあえず見た目が美しく派手で、宣伝文句とマーケティングが付加価値を生む、という考え方とは、完全に一線を画していました。 この地区では、職人はいつも刃物と向き合っていますから、一度や二度、指を飛ばしてしまうことが本当...

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