2015.05.23

楽器について - about my instrument -

sax私はテナーサックスとソプラノサックスの両方が好きで、必ず両方演奏するようにしています。

もう同じ楽器を20年近く使っています。どちらも中古品を買ったので、楽器の年齢自体はその倍近くいっているかと思います。

私が中学生になった時、吹奏楽部に入ろうと決めたのですが、練習風景を見に行った時に一番心動かされたのが、そのキラキラした楽器の美しさでした。

特にサックスの見た目は、本当に美しいと思いました。

私が中学時代に少し入院していた時期があったのですが、その時にピアニストのいとこが、渡辺貞夫さんの録音をテープで下さいました。他にする事もないのでそれをずっと聴いていたのですが、そこですっかりサックスの虜になってしまいました。

今思えば、私の凛舟のコンセプトはこの自分の体験から出て来ているのかもしれません。

それから、何一つ理解できませんでしたが渡辺貞夫さんの「ジャズスタディ」という本を奮発して購入し、「これが理解できないとジャズができないのか・・」と思って悶々としていました。後にバークリーで学んでから、この本を引っ張り出してみると、確かに授業の要約になっていることが分かり、結局ジャズの理論というのは「Thinking Out Of The Box」をするための、要するにこれまで誰かがやったことの「体系的理解」のための手引きなんだな、ということが分かりました。

渡辺貞夫さんも、理論を正しく理解する事の究極の目的は「理論を理解する」ことそのものではなく、何かインサイドで何かアウトサイドで、自分はどっちの道を行くのか、ということを見極められるようになる事だ、というようなことをおっしゃっていたような気がします。

自分がすごくアウトサイドなフレーズを吹いているな、と思っていても、もし理論を知らなければ、場所によってはアウトのアウトは、元に戻ってインサイド、みたいなこともあり得ます。要するに音楽が四畳半的になってしまうのです。

私が理論を学んでよかったと思う点は、実に耳コピが簡単になったということです。コードやフレーズを聴いた時に「あ、このパターンか」と理解できるので、迷う事が殆ど無くなり、作業が随分と早くなりました。バークリーに行く前は「このコードなんて表記するんだっけ・・」という音からコードを考えるようなことをしていましたが、構造が理解できれば、それは何の派生である、ということが容易に理解できるようになったと思います。

 

サックスの奏法については私は随分と右へ左へと逸れ、未だに試行錯誤を続けている、というのが正直なところです。人それぞれに楽器の向き不向きがあるとすれば、多分私はサックスには歯並びの点からそんなに向いていないのでは、という気がしますが、それでいつまでたっても完成するところまでいかないので、ずっと続けているのだと思います。

苦手と思う事ほど、すぐの成長を期待せずに取り組み続けるから、良いのかもしれません。マレーシアの教育関係の方がおっしゃっていましたが、楽器は、そういう忍耐強い継続的な努力の姿勢を育むから、小さい子供にはとても良いそうです。私も、不器用でも私なりのペースで、楽器を続けていこうと思います。

 

-------English--------

I play my soprano & tenor sax for around 20 years. I don't think I'm quite talented as a sax player but because of that I can keep working on it without much expectation....

 


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