![[日比野 則彦 / Norihiko Hibino Official Blog]](http://life.rinshu.net/images/header-logo.png)
連日の重荷で晴れない気分の最中だったが
仕事先で偶然、20年来の友人に出会った。
「うめちゃん!」その当時の私の呼び名(ど根性ガエルのうめちゃんに似ていたからその名前がついた)で呼ぶ人はそう多くない。
自分のことを覚えてくれていて、
自分の中にしまい込んでいた、人に話せない過去も、全部知っていて
でも笑顔で会ってくれる友人に、本当に救われた。
本番前なのでゆっくり話すことはできなかったが、本番に向かう力をいただいた。
本番でも主催の大先輩の計らいで、10年来の知人が私のことを丁寧に紹介してくださり
久しぶりにとても良い交わりができた。
最後、機材の撤収はいつもひとりだが
車までカートを押して来てくださり、積み込みを手伝ってくださった。
その心に本当に救われた。
また同じく計らいで隣の席におられたある要人の奥様が
自分の病を通して、いまこうして動けるようになったことの喜びを感じていること
音楽を聴いて、寄り添ってくれている感じがしてすごく励まされたこと
同じように先が見えなくて苦しい時を過ごしている方たちにぜひ聞かせてあげたい
との感想を聞かせてくださった。
他にも何人もの方々が、
体に振動が沁みた。涙が出て来た。感動した。
と、わざわざご挨拶に来てくださった。
私は決して良いとは言えない心身の状態の中で
直前にもらった元気のおかげでどうにか乗り越えた演奏だったが
仮に義理でも、そのように言ってくださった方々に
どれほど励まされたかわからない。
大先輩からは「とにかく目線を低く。そこから上を見ると景色が違って見える」
と、どんなに環境が変わっても常に謙遜でいることの大切さを教えられた。
こんな私にも、こうして心をかけてくださる方々がいることに
どれだけ励まされたかわからない。
そういう方々が周りに備えられていることが
どんな時でも神様が見放していない、そんな支えを感じた。
音楽は、傷んだ心を癒す交わりのためにあるんだなあと、自分ごととして感じた。
今日は長生館の昼夜公演。
秋晴れの良い天気の中で、同じく音楽を通じて
ひとつでも心の通う思い出を作れると嬉しい。