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2017.07.25

日野原先生の逝去に思う

日野原重明先生が7月18日、105歳で天に召されました。 私も数年前、緩和ケア学会で先生の講演を拝聴しましたが、100歳を超えているのにあまりにシャープな頭脳に大変驚いた記憶があります。 報道によると、最後は、胃瘻を選ばず、自ら自宅での静養を選択されたとのこと。死ぬということは、人間の最後に残された最も大きい仕事だと思いますが、その人生の最後の歩みにおける平安が先生の生き様を象徴している気がします。 先生が1970年のよど号ハイジャック事件に巻き込まれた話は有名ですが、先生はそこで自らの命が助かった際、「自分のいのちは神から与えられたものだ。これからは人のために生きよう」と、生き方の方向転換をされたそうです。 それからの先生の社会貢献の歩みは、聖路加病院のサリン事件の際の大々的な受け入れ態勢や、小学校での「いの...

2017.07.03

今日を生きる

雨が降り続いています。 先日は、介護施設の中でも20年以上の歴史があり、現在看取りまで積極的に行っているという施設様でのコンサートがありました。ご家族の方もご一緒に来られ、総勢100名を超える賑わいでした。 職員の方々も素晴らしいお人柄でしたが、彼らは入居者様にとって家族以上の家族となっており「自分のケアがこれで良かったのか」と悩むことも多いといいます。 特に食べられなくなった方に無理やり食べさせることに対して、悩む部分も多いようでした。   ある方が、終演後の打ち上げで「『そうか、今日を楽しく生きれれば、それでいいんだ』と思うと、とても気が楽になりました」とおっしゃってくださいました。   「天上の音楽」コンサートでは「いのちの希望」をお届けしたい、というのが私たちの願いですが、その根本に...

2017.06.28

「いのちの時間」という投資

いのちには、はじまりがあり、終わりがあります。 その間に流れる「いのちの時間」を、何に投資するでしょうか。   新幹線の窓から、立ち並ぶ工場を見ていて、ふっと思いました。 「ものづくり」という仕事は、最初に「設備」という莫大な投資を伴います。 順調に売れているときは良いですが、急に取引先から「NO」を突きつけられると、途端に負債の山と化します。 時代の変化についていけない時には、どんなに大きくて立派な工場も、苦しみの種になってしまいます。   一方で、自分の人生の中で費やした「いのちの時間」という投資についてはどうでしょうか。 何かの学び、誰かとの出会い、貴重な経験・・・ そういったものを、本当に価値あることに投資しているでしょうか。   今の自分があるのは、紛れもなくこれまでの「...

2017.06.24

長生館Jazz Lounge

本日長生館にて、Jazz Loungeコンサートを行います。 ジャズピアノBill Evansを研究し尽くした中村葉子氏のソフトで優しいジャズピアノとのDuoです。 中村氏とは大学時代から20年以上の共演を続けております。NYの鬼才ピアニストFred Hearsh氏の愛弟子でもある方です。 ミュージックチャージは特にありません。ご都合のつく方、お越しいただけましたら大変幸いです。

2017.06.20

「自分とは何か」という問い

先日、滋賀県近江八幡市のヴォーリス記念館に行きました。 ヴォーリスは私が尊敬する一人です。記念館に隣接したヴォーリス設計のヴォーリス学園の体育館です。現在もしっかり使える状態で、階段やデザインの至る所に子供に対する心配りがあるのに大変感動しました。 自分は何者であるか、という問いは、古代の哲学者に始まり、ありとあらゆる思索がなされてきました。そして、今日、様々な考えがあると思います。 それを「価値観」という言葉で表現するべきなのでしょうか。   人は小学生になるころから「アイデンティティ」が確立してきます。就学して社会との交わりができてくると、いっそうアイデンティティ、すなわち「自分とは何か」を考えるようになります。   しかし、聖書の神のことばは非常に単純明確。 「わたしこそ神であることを...

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