2018.03.18

枯れゆく花の美しさ

karehana枯れゆく花の美しさに魅了されたことはあるだろうか。

 

咲き誇る花には圧倒する力があるが、枯れゆく花には、涙とともに心の慰めを与えてくれるように思う。

花びらを支える花托(かたく)を見て欲しい。

一本の、残りわずかな花びらを支えるために、全身全霊で、残りのすべての花びらを犠牲にしてでも、いのちの限りを尽くして、養分を送り届けている。

そこからは、いのちのしずく、植物の血である、養分が滲み出て、輝いている。

 

最後の一瞬まで、いのちを輝かせるために、諦めないその姿。

 

枝を切られ、水を絶たれ、光を絶たれ、養分を絶たれ、

長くは生きられないことをもう悟っているであろうこの花は、

誰も見向きもしない、捨てられるだけの花であったとしても、

それでも自ら枯れゆくことを選んではいない。

最後の一瞬まで、身を削り、いのちを輝かせるための、精一杯の努力をしている。

 

私にははたしてそれができるだろうか。

 

おそらく、できないと思う。

 

枯れた花にしか、分かってもらえない心がある。


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